ボボ人形実験とは
ボボ人形実験とは、アメリカのスタンフォード大学の心理学者アルバート・バンデューラが行った実験で、大人が人形に乱暴している様子を子供に見せると、子供がマネをして攻撃的な行動を取ることが確認された実験です。
これまでの心理学では、人は自ら体験することによって学習すると考えられていましたが、アルバート・バンデューラが行ったボボ人形実験によって、他の人の行動を見て学習する「観察学習(モデリング)」が可能であることが証明されました。
ボボ人形実験の詳細
子供たちを2つのグループに分けます。
グループAの子供たちには大人が風船のように膨らませた「ボボ人形」を叩く、蹴る、罵声を浴びせる様子を見せます。
グループBの子供たちには何も見せません。
そのあと、子供たちをボボ人形が置いてあるおもちゃの部屋で遊ばせます。
すると、グループAの子供たちはボボ人形に対して攻撃行動を取ることが多かったのです。
ボボ人形実験によって、子供はモデルを見て観察学習(モデリング)することが証明されました。
なお、 この実験では女児よりも男児のほうが攻撃行動を取りやすいことが判明しています。
バンデューラのモデリング理論
バンデューラが提唱した観察学習(モデリング)には4つの過程があります。
注意過程
モデルを観察している過程です。
保持過程
観察したモデルを覚えている過程です。
運動再生過程
モデルのマネする過程です。
動機付け過程
モデルのマネを続けるかどうか動機付けを行う過程です
観察学習(モデリング)の例
- 変身ポーズのマネをするヒーローごっこ。
- 葬式ではみんな静かにしているので、自分も静かにする。
- 犬を怖がっている子供に犬と遊んでいる様子を見せて慣れさせる。
ボボ人形実験の教訓
犯罪を行った少年によくありがちなこととして「その少年は普段から残酷なゲームや漫画を楽しんでいた。その影響受けたのではないか?」なんて報道されることがあります。
ボボ人形実験によってその考えは間違いではないことが分かりました。
子どもは親の背中を見て育ちます。
羽目を外すような親でも、子供の前では良識ある行動を見せたいものですね。