敵意帰属バイアスとは

敵意帰属バイアスとは、相手の言動に敵意があると感じやすい心理傾向のことです。

例えば、何気ない会話をしているときに相手は悪意はないのに「悪口を言われた」、質問をしただけなのに「嫌味を言われた」と感じやすい人は敵意帰属バイアスが強い人です。

敵意帰属バイアスが強いと、実際にはない敵意を感じ取ってしまうんですね。

分かりやすい事例としては、チラっと見ただけなのに「何見てんだコラァ!」と怒り出すヤンキーは、敵意帰属バイアスが強く現れている例になります。

敵意帰属バイアスが強い人ほど「被害妄想が強い」「キレやすい」性格の人だと言えます。

敵意帰属バイアスの事例

人ゴミの中、人とぶつかったとき

敵意帰属バイアスの弱い人は「人が多いから仕方がない」と考えますが、敵意帰属バイアスが強い人は「わざとぶつかってきた」と考えます。

人前で怒られたとき

敵意帰属バイアスの弱い人は「自分のために叱ってくれた」と考えますが、敵意帰属バイアスが強い人は「人前で恥をかかされた」と考えます。

自分を見ながらヒソヒソ話をされたとき

敵意帰属バイアスの弱い人は何とも思わなくても、敵意帰属バイアスが強い人は「自分の悪口を言われている」と考えます。

敵意帰属バイアスの強い人ほど攻撃行動に出やすい

アメリカの心理学者ドッジは、殺人、暴行、強盗などの犯罪で逮捕された青年を調べたところ、一般的に見ると悪意のない行動でも敵意を感じやすいことが分かりました。

つまり、犯罪で逮捕された青年は敵意帰属バイアスが強い。

そして、敵意帰属バイアスが強い人は攻撃性が強く、犯罪を犯しやすいことが明らかになりました。

敵意帰属バイアスが強い人ほど、ささいなことでも攻撃行動に出やすいということですね。

敵意帰属バイアスが強くなる原因

子供のときにいじめられたり仲間外れにされたり、親から虐待を受けた経験があると、敵意帰属バイアスが強くなることが明らかになっています。

また、敵意帰属バイアスが強い人は自己肯定感が低い傾向があります。

つまり、本当は自分は弱いと思っている人ほど、自分を守るために攻撃的になります。

「弱い犬ほどよく吠える」ということわざがありますが、そういう状態です。

敵意帰属バイアスの対処法

自分が敵意帰属バイアスが強い場合

イラっと感じることがあったら「自分のとらえ方が間違っているのではないか?」「別の解釈があるのではないか?」と疑いましょう。

相手が敵意帰属バイアスが強い場合

敵意帰属バイアスが強い人を変えることは難しいので、距離を置くのがベストです。